2025年9月30日火曜日

" エレベーターに乗っからないで・・・ "というお話

9月29日(月)のことです。

午前8時10分。







まもなく年度の折り返し。

10月を目前にひかえたこの日・・・

みんなで体育館に集まって・・・

全校朝会をしたんです。









私はね・・・

みんなにお話ししたんです。


************

エレベーターにのったことありますかぁ?

(みんなが こっくり こっくり)


エレベーターで・・・

1階から2階にいこうと思ったらね・・・

上に行くボタンを「ぽちっ」とおすよね。








そしたらね・・・

「すーっ」ととびらが開いて・・・

エレベーターのおへやに入るよね。


中に入ったらね・・・

2階に行くために・・・

「2」のボタンを「ぽちっ」とおすよね。








そしたらね・・・

「すーっ」ととびらが閉まって・・・

みんなはじっとしてたらいい。


つぎ・・・「すーっ」ととびらが開いてね・・・

エレベーターのおへやから出ると・・・

そこは2階だよね。








エレベーターって便利だね。

エレベーターってらくちんだよね。












けれどね・・・。


ひとの成長には・・・

「らくちん」ってなくってね・・・


じいっとしていても・・・

エレベーターに乗ってるみたいに・・・

つぎの学年に進級したり・・・

つぎの学校に進学するってことはないんだよ。











今週で9月が終わるね。

今年度の半分が終わるね。


半分が終わるっていうことは・・・

みんなの足のかたいっぽうは・・・

つぎの学年や・・・

つぎの学校に乗っかってなくっちゃいけないね。









みんなの前足は・・・

つぎの学年や学校に乗っかっていますか?


みんなの後ろ足は・・・

今の学年の地面を力強く蹴ろうとしていますか?









前足には・・・

今の学年でできるようになったことや・・・

今の学年で身につけた力・・・

すでにつぎの学年や学校でも発揮できる力・・・


後ろ足は・・・

今の学年でこれからまだ・・・

できるようになんなくちゃいけないことや・・・

今の学年でこれからまだまだ身につけたい力・・・

今の学年でもっともっと発揮したい力・・・


そんなものが乗っかっているんだって思うんだよ。








10月1日をむかえるまえに・・・

自分の前足と後ろ足と・・・

自分たちの学級の前足と後ろ足を・・・

もう一度見つめなおしてみようね。



成長ってね・・・

エレベーターに乗っからないで・・・

自分の足でするものなんだよ。


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"  エレベーターに乗っからないで・・・

 自分の足で成長するんだよ。 "というお話でした。









全校朝会がおわって・・・

体育館をあとにするみんな・・・

こころなしか・・・

後ろ足に力が入っているような気がしたんです。

(だよね・・・だよね・・・

 みんな・・・そうだよね・・・。)






2025年9月29日月曜日

" 1年生と小谷敏彦先生 "というお話

9月29日(月)。

音楽会まであと半月あまり。


今年度も・・・

音楽会の練習に・・・

小谷敏彦先生がおいでくださってるんです。










小谷敏彦先生は・・・

専門家なんです。

達人なんです。

本物中の本物なんです。









名人というのは・・・

このような方のことを言うんだって・・・

毎年毎年・・・

毎時間毎時間思います。












先週金曜日・・・

音楽室をのぞいてみたんです。

1年生と小谷敏彦先生の出会いの時間。









ご用があって・・・

ちょっとだけ遅刻して入った音楽室。








ちょっとだけ遅れたわずか5分間で・・・

1年生と小谷敏彦先生はね・・・

とってもなかよしになっていたんです。












小谷敏彦先生がおっしゃったんです。

「はい・・・

 100m先のろーそくを吹いてえ。」って。











1年生が吹いたんです。

「ひゅー」って。


そのときね・・・

みんなのおなかの中のふうせんから・・・

くうきがとびだしてきたような音がしたんです。












小谷敏彦先生がおっしゃったんです。

「まゆげを上げてえ。」って。









1年生がまゆげを上げたんです。

「ぴょこん」って。


そのときね・・・

みんなのおなかとのどと・・・

口と鼻とまゆげと頭の先っちょまでが・・・

一直線につながったような気がしたんです。

(きみ・・・

 だいぶまゆげが上がったねえ・・・)












小谷敏彦先生がおっしゃったんです。

「おなかをおしてえ。」って。











1年生がねおなかをおしたんです。

かえるさんのおなかのように・・・

やわからいおなかをです。


そのときね・・・

トライアングルの音みたいだったみんなの声が・・・

大太鼓の音みたいな声に変わったんです。













小谷敏彦先生がみんなにね・・・

なんかおっしゃるたびにね・・・

みんなの声が変わったんです。











そしてね・・・

私はじいっと見ていたんです。


小谷敏彦先生がみんなにね・・・

なんかおっしゃるたびにね・・・

みんなの表情が変わっていったんです。









それはまるでね・・・

魔法にかかったみたいだったんです。


" 1年生と小谷敏彦先生 "というお話でした。






2025年9月26日金曜日

" 避難訓練・・・絶対にたすかる "というお話

9月26日(金)。

午前10時08分。

非常ベルでスタート。










地震の避難訓練をしたんです。

ちょうど長い休み時間に発生の避難訓練です。








「今日 避難訓練をするからね。」とだけ・・・

みんなには伝えていたんだけれど・・・

"まさか・・・"の休み時間の訓練です。

(勘のいい子は・・・

 予感がしていたかもしれないけれど・・・)









前田教頭先生が放送で言ったんです。

「揺れがおさまりました。」って。

「体育館に避難してください。」って。










この放送を合図に・・・

じいっと身体を低くして・・・

安全を確保していたみんながね・・・

「さっさっさっさ・・・」って・・・

つぎつぎと体育館へ避難してきたんです。








体育館であそんでいたおともだち・・・

テラスであそんでいたおともだち・・・








教室ですごしていたおともだち・・・

音楽会の練習で音楽室にいたおともだち・・・

つぎつぎに集まってきたんです。











集合をおえたみんなに私はね・・・

ちょびっとだけお小言を言ったんです。


「休み時間をたのしんでいたから・・・

 ちょっとおしゃべりしちゃったね。」って。


「休み時間でくつろいでいたから・・・

 ちょっと笑顔が出ちゃったね。」って。












「つぎのときは気をつけようね。」って。

「今日よりも緊張しようね。」って。


「ほんとうの地震がきたら・・・

 超ド緊張なんだから。」って。











「どきどきしちゃっていても・・・

 泣きそうになっちゃっていても・・・

 こわくてこわくてしかたなくなっちゃっていても・・・

 必ずみんなでたすかるためにね。」って。











そしてね・・・

つぎにおねがいをしたんです。


「もしも おっきな地震が・・・

 学校じゃない場所で・・・

 ひとりぼっちでいるときにやってきたら・・・

 どこに避難すればよいのか・・・

 おうちのひととお話ししておこうね。」って。













「どこに避難して待っていたら・・・

 おうちのひとと出会えるのか・・・

 おうちのひとと打ち合わせをしておこうね。」って。


「大地震のあと・・・

 ずうっとひとりぼっちは・・・

 きっと ずいぶん心細いよね。」って。















思っていたんです。

" たいせつなみんなのいのち・・・

 ひとりとして・・・

 失うことがあってはならないんだ。"って・・・









" 避難訓練・・・絶対にたすかる "というお話でした。







ところで 私はね・・・

このふたつのシーンにこころを打たれていたんです。


ひとつ目。

1年生の背中に・・・

そっと手をあてながら避難する6年生。

(ありがとう。

 そして・・・このような光景が・・・

 ここだけではなかったこと 私は知っている。)










ふたつ目。

避難訓練・・・

みんなの安全のためにと・・・

真剣勝負のふたりの先生のすがた。

(ありがとう。

 そして・・・

 このふたり以外の先生のすがたもきっとこうだった。)



2025年9月25日木曜日

" 児童体育祭・・・この瞬間にも伸びる "というお話

9月24日(水)のこと。













倉吉市内の・・・

4年生以上の小学生が・・・

倉吉市営陸上競技場に集まった・・・

児童体育祭。













スタートを待つこの瞬間。

遠くから聞こえる・・・

なかまたちの声援だけが聞こえる。










この瞬間・・・

子どもたちが伸びる音が・・・

聞こえてくるような気がする。












号砲を待つ。

一切の音と・・・

一切の景色が・・・

失われたようなこの瞬間。








この瞬間・・・

子どもたちが伸びる音が・・・

聞こえてくるような気がする。











持久走。

一秒が・・・

10mが・・・

こんなにも長く感じられるのかって・・・

思うくらいの世界で・・・自分との勝負。

自分自身と闘うこの瞬間。









この瞬間・・・

子どもたちが伸びる音が・・・

聞こえてくるような気がする。












そして・・・

応援のテント。


なかまを見つめるこの瞬間。








なかまのために・・・祈る。







なかまを見つめて・・・息をのむ。








なかまにむけて・・・

  声のかぎりにエールを送る。








この瞬間・・・

子どもたちが伸びる音が・・・

聞こえてくるような気がする。









昨日・・・

9月24日。








すべての子どもたちが・・・

その刹那刹那に・・・

伸びる音が聞こえたんです。








" 児童体育祭・・・この瞬間にも伸びる "

 ・・・というお話でした。











午後。

バックストレート奥の斜面。


まだ児童体育祭に出場しない・・・

ちっちゃな学年のおともだち。

行列をつくって応援にかけつける。






遠くから・・・

ほんとうに遠くから・・・


けれど・・・

とっても熱い・・・

眼差しと声援とを送る。







この瞬間にもね・・・

子どもたちが伸びる音が・・・

私には・・・

まちがいなく聞こえたんです。