2025年2月28日金曜日

打吹教育賞授与式で私がした「ねうち」のお話

2月28日(金)。










ひさしぶりに・・・

「かーくん」と「もーくん」が・・・

プールにやってきた日。

(手を伸ばせば とどきそうなくらいに・・・

 近くまできてくれた日。)







3校時の体育館。

「打吹教育賞授与式」をしたんです。







今年度の式ではね・・・

6年生だけに贈られる・・・

「打吹科学賞」と「打吹教育努力賞」と・・・


各学年の男女ひとりずつに贈られる・・・

「打吹山クロスカントリー努力賞」の・・・

三つの賞の表彰をしたんです。









式のはじめに私はね・・・

全校のみんなにつぎのお話しをしたんです。


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大谷翔平選手 知ってる?

 野球の選手だね。

ホームランを54本打ったんだよね。

メジャーリーグですごい記録をつくったね。






阿部一二三選手 知ってる?

 柔道の選手だね。

パリオリンピックで金メダル・・・

その前の東京オリンピックでも金メダル・・・

二大会連続で金メダルをとったんだよね。

二回続けて金メダル・・・なかなかできないよね。









54本とか・・・金メダル2回とか・・・

日本一とか・・・世界一とか・・・

そんなすごい数字を褒められたり・・・

表彰されたりすることってあるね。

がんばった証拠だもんね。ねうちがあるよね。






でもどうだろね?

54本ホームランを打ってはいないけど・・・

金メダルはとってないけど・・・

日本一でも世界一でもないけれど・・・

ねうちのあることってないのかな・・・? 










たとえば・・・

小学校に入学してから卒業するまで・・・

気がついたら必ずごみを拾って・・・

ゴミ箱に入れ続けた人がいたとしたら・・・

それって ねうちはないかな?

      ・・・あるよね。あるよ。









たとえば・・・

いつだって だれにでもおなじように・・・

やさしく言葉をかけた人がいたとしたら・・・

それって ねうちはないかな?

      ・・・あるよね。あるよ。











校長先生は思っているよ。

そんな数字で表すことのできない・・・

けれど なかなかできないことを・・・

じっくりと誠実に・・・

ねばり強くやっている人のことも・・・

金メダルをとった人を表彰するみたいに・・・

こころをこめて表彰して・・・








みんなで「すごいね。」って・・・

みんなで「おめでとう。」って・・・

お祝いしたいなって。








打吹小学校の先生たちもみんな・・・

おなじ気持ちでいるよ。









打吹小学校は・・・

そんなねうちもわかる・・・

学校でありたいと思っているよ。












今日は・・・

そんな打吹小学校がつくった・・・

打吹小学校だけにある賞の表彰式です。







このあと表彰される人が・・・

どんなねうちあることで表彰されるのか・・・

しっかりと聞いて・・・しっかりと見て・・・

心からの拍手を送ろうね。






そしてみんなも・・・

そんなねうちのわかる子どもでいてほしいなって・・・

こころからそう思っているよ。









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外はずいぶんあたたかになったけれど・・・

きんきんと寒い体育館で・・・

全校のみんなの拍手が・・・

鳴りやむことはなかったんです。








打吹教育賞授与式で私がした「ねうち」のお話でした。




ところでね・・・

「受賞者喜びのことば」の発表のあった・・・

「打吹科学賞」と・・・

「打吹教育努力賞」を受賞したふたり・・・

表彰式がおわって教室にもどるうしろ姿。










まんまるになっちゃった背中がね・・・

どれほどの緊張感をくぐったのかを・・・

よおくよおく物語っていたんです。


ほんとがんばったね・・・ふたりとも。

これからも応援しているよ。

2025年2月27日木曜日

" それぞれの今日はつながっている。 "というお話

 2月27日(木)。

2校時の多目的室。









3年生のおともだちが・・・

なにやらにぎやかにやっていたんです。









すいかのかげにかくれているふたり。

(なぜ すいかなのか・・・)








おもむろに立ち上がって・・・

まじめに語り合う。







下を見ると・・・刀を持ってる・・・

(物騒だ・・・)








かたわらには・・・

横たわる女の子・・・。

(まさか・・・切られたのか・・・?)






ちょっとよそ見をした そのすきに・・・

なかまらしきひとたちが集まってきて・・・

今度は真剣な顔をして叫んでいる。

(おい・・・女の子はどうするのだ・・・?)








お!

刀をぬいた・・・

むかいには男の子。

(きみ・・・ちかづくな!)

(このひとたちは・・・

 ちょっとこわいことするかもよ・・・)








なんじゃらかんじゃらとやってるうちに・・・

きっちりと整列をして・・・

(つぎはなにをはじめるんだ・・・?)








おいおい・・・

とびきりの笑顔で・・・

手なんか振っちゃってるじゃないか・・・。








(ところで・・・

 さっきの女の子は大丈夫か・・・?)


安心してください。

むっちゃ元気です。










これってね・・・

来週月曜日の「6年生を送る会」の・・・

劇の練習と準備なんだって。








うしろの方ではね・・・

小道具係さんや・・・

脚本家さんたちが・・・

せっせ せっせと・・・

これまたがんばっていたんです。






劇のタイトルは・・・

知ってるけど・・・言わないよ。






おなじ時刻の体育館。

そう。巨大冷蔵庫みたいにつめたい体育館。








6年生はね・・・

いよいよ今日から体育館で・・・

卒業式の練習。








ビリビリするくらいの空気のなかで・・・

ほんとがんばってる。









想っていたんです。

" このふたつの学年・・・

 場所もやってるなかみもちがうけれど・・・

 やっぱり・・・

 根っこの部分でつながってるんだよな。"って。


" どちらの学年も・・・

 3月14日に迎える・・・

 6年生の卒業にむけて・・・

 それぞれが精一杯にがんばって・・・

 それぞれがつながってるんだよな。"って。









" それぞれの今日はつながっている。 "

       ・・・というお話でした。





にしてもだよ・・・。

3年生の劇の練習で使ってた・・・

「タイムマシーン」の看板・・・


前田先生・・・

これって ほうきじゃん・・・。









もうちょい・・・もうちょっとだけでも・・・

ましな棒を準備してやりなよ。

(かわいそうじゃん・・・・・・)

2025年2月25日火曜日

" 冬と春のあいだみたいな日に・・・ "というお話

2月25日(火)。

6年生の登校がのこり13回となった日。










昨日までの寒波が・・・

うそみたいに一気に春めいた日。








午前の多目的室。

6年生が・・・

卒業式の練習をしていたんです。











ひとり・・・またひとりと・・・

横山先生からなまえをよばれてから・・・

証書を受け取るみんなのことを・・・








目で追っていると・・・

なんだか みんなが・・・

ずいぶん大人びて見えたんです。











証書を受け取る真剣な態度・・・








受け取ったあとの・・・

誠実なうしろすがた・・・











胸を張って気をつけをする横顔・・・









引き締まる指先は・・・

なんだかとても誇らし気で・・・








なまえを呼ばれる直前・・・

前の一点を見つめる目。


それは・・・

ずっと先の未来を見据えているようで・・・

とってもたのもしかったんです。













そしてね・・・

私は気がついていたんです。


いすに腰かけてるおともだちが・・・

証書を受け取るおともだちを見守る・・・その目に。








移動するおともだちを見守る・・・その目に。








おじぎをするおともだちを見守る・・・その目に。








しせいをくずさないように・・・

     目の玉だけで見守る・・・その目に。












そっと手を添えるように見守る・・・その目に。











その光景をながめながら・・・

私は想っていたんです。


" 証書を受け取るときの・・・

 びりびりするような真剣さも・・・





 



移動するときの・・・

 ぎこちないくらいの誠実さも・・・





 



なかまを見守るときの・・・

 ちょっと心配そうで・・・

 あたたかさに満ちたまなざしも・・・





 



どれもこれも・・・

 きみたちらしさを表しているね。"って。








" 冬と春のあいだみたいな日に・・・ 

 6年生の卒業式練習を見ながら・・・

 ずうっと想っていた。"というお話でした。











6年生のみなさんへ

だれかが証書を受け取って・・・

深く深くおじぎをするとき・・・


みんなの中の多くの人のあごが・・・

数ミリ・・・ほんの数ミリ・・・

コクっとおじぎをすることに・・・

校長先生は気がついていたよ。


いいことだなって思ったよ。

なっちゃうんだよね。

いいと思う。

集中して入り込んじゃっていたんだよね。

応援していたんだよね。

こころがつながっていたんだよね。

いいと思う・・・とってもいいと思う。