2025年6月20日金曜日

" 避難訓練・・・今も想い出す・・・"というお話

6月20日(金)。

気温が30℃を越えた直後の午前10時。

火災の避難訓練をしたんです。











こころのなかで・・・


" みんなこの暑さに負けないで・・・

 真剣に避難できるかなぁ・・・"って・・・


そんな心配をしながら・・・

非常ベルが鳴るそのときに注目していたんです。









あっという間だったんです。

まっしぐらに避難。

さっと整列。

さっと人数を確認。

きちっと座る。








担任の先生たちが・・・

すごいスピードで・・・

全員が避難したことを教頭先生に報告。


教頭先生が私に・・・

全校のおともだちが無事に避難完了したことを・・・

知らせてくれるその瞬間まで・・・

一気にすすんだんです。









私は思っていたんです。


" これがほんとうの火事だったとしても・・・

 だれひとりとして けがすることなく・・・

 避難できていただろうな。"って。


" きっと・・・

 先生たちは教室で・・・

 どれだけ避難訓練がたいせつなのかということを・・・

 しっかりとみんなに伝えてくれていたんだね。"って。










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ところで・・・火事・・・今も想い出すんです。


火災の避難訓練をするたびに・・・

私はいつもこのことを想い出すんです。

そして・・・

伝え続けるんだと思います。書き続けるんだと思います。


私の体験を・・・。時間を巻き戻して何度でも・・・。








私が小学校2年生のときのことです。

学校で火事が起こったのです。


あれは 担任の先生が出張で・・・

学校におられない日のお昼前のことでした。









かわりに教室にきてくださった先生が・・・

なにかの用でどこかに行かれたそのときだったんです。


非常ベルが突然鳴って・・・

ろうかの天井を煙が流れていたんです。








2年生の子どもたちばかり36名。

一気にパニックです。

泣き声も・・・叫び声も・・・

悲鳴も聞こえていたんです。










私たちは・・・

だれが言い出したのか・・・

だれがやり始めたのか・・・

あろうことか帰りの準備を始めたんです。


ランドセルに教科書やノートをつめこむ・・・

その手が震えていたことを今も覚えてるんです。









そして・・・

準備ができた子からろうかにならんで・・・

「前へならえ」をしていたんです。








そのときだったんです。

「ランドセルはおろしなさい!!

  ついてきなさい!!」って・・・

ろうかのむこうから校長先生。


ふだん いつもにっこりと笑顔で・・・

ときどき頭をなでてくれるやさしい校長先生。


このときは おにのような顔で・・・

   そして おにのような声で・・・。








みんな びっくりして・・・

ランドセルをなげだして・・・

校長先生のおっきな背中について走ったんです。











幸いにも火事は最小限で・・・

私たちは校長先生と教室にもどったんです。









神妙な顔で席についた私たちの前に・・・

そっと立たれた校長先生の第一声は・・・

くしゃくしゃの泣き顔から飛び出したんです。


「こわかったね。ごめんね。みんなだけにして。」

「こわい顔で大きな声を出してごめんね。ゆるしてね。」

「校長先生は みんなを守らなくちゃって思ってね・・・

      一生懸命になっちゃったんだよ。」

「みんな無事でいてくれてありがとう。」って。










ほっとしちゃって・・・

そして・・・

校長先生がいつもの校長先生にもどったことが・・・

とにかくうれしくって・・・

たくさんの子が泣いていたんです。








今も想い出すんです。 そして想うんです。


" ありがとうございました。 "って。

" 今 とてもよくわかります・・・

  あのときの校長先生のお気持ち。"って。

" 森校長先生 "って。







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" 避難訓練・・・

 今も想い出す・・・"というお話でした。








私たち打吹小学校職員は、万が一の時、おあずかりした大切なお子さまのいのちを必ずお守りします。