2024年9月2日月曜日

" アゲハちょうと男の子 "のお話

9月2日(月)。

台風一過。

みなさまに・・・

被害がなかったことをお祈りしています。












さて・・・と。

2年生教室の前のろうかでね・・・

ほんわかとした気持ちになる・・・

自由研究に出会ったんです。


テーマは「アゲハちょうの成長」。









この研究をした男の子はね・・・

おじいちゃんの畑のゆずの葉にね・・・

アゲハちょうのよう虫を見つけたんです。









"この「ころころ」としたよう虫が・・・

 どんなふうにアゲハちょうになるんだろ?"


男の子の研究はここから始まったんです。









6月27日から始めたこの観察は・・・

夏休みのおわりごろまで・・・

粘り強く続けられたんです。









16ぴきのよう虫はね・・・

それぞれが・・・

それぞれのタイミングでさなぎになって・・・

そしてやがて・・・

つぎつぎに「うか」していったんです。





そのあいだ・・・

えさとなる葉っぱをせっせとあげること・・・

ふんをとりのぞいて・・・

よう虫のおへやをきれいにしてあげること・・・

研究だから・・・

その日その日のふんのおもさを量ること・・・

たくさんのお世話をしたんです。







そしてそして・・・

成長の記録を写真にのこしたんです。

その数・・・じつに約80枚。











じっくりと・・・ていねいで・・・

根気強い毎日が続いたにちがいないんです。








「大変だったんじゃあないか?」って?

いやいや・・・どうやらちがうんです。










男の子はね・・・書いてるんです。


「毎日どうなってるのか・・・

 わくわくしてたのしかったよ。」って。











夏のあいだ いっしょにくらしてね・・・

たくさんのことがわかってね・・・

それをじょうずにまとめたんです。










この自由研究を見てるとね・・・

このアゲハちょうが・・・

よう虫のときからずっと・・・

まちがいなく・・・

大切にされていたんだっていうことがわかるんです。


自由研究の「まとめ」を読めばわかるんです。










男の子はね・・・

自由研究をしているあいだ・・・

さなぎからアゲハちょうが「うか」するとね・・・

ケースのふたをあけて空にかえしたんです。









それはきっと・・・

この自由研究で・・・

アゲハちょうはひとなつしか生きられない・・・

・・・っていうことをおべんきょうしたから・・・。






(男の子から・・・

 はなれない・・・)





そんなアゲハちょうがね・・・

うれしそうに・・・うれしそうに・・・

元気に舞い上がっていくすがたを・・・

じいっと見送って「さよなら」したんです。









そして・・・

アゲハちょうにね・・・

きっと・・・男の子は言ったんです。

「ありがとう。」って。

「ながいきしてね。」って。












私はね・・・

今すぐ この男の子に会いたくなって・・・

授業中の教室に入っちゃったんです。


男の子はね・・・

やっぱり教室でも・・・

しっかりとおべんきょうしてたんです。








そんなよこがおにね・・・

こころの中で そっとお話ししたんです。


" きみの自由研究 見せてもらったよ。 "って。


" アゲハちょうのことについて・・・

 とてもたくさんべんきょうしたね。 "って。


そして・・・

" きみはもうひとつ・・・

 とても大切なおべんきょうもしたんだよ。 "って。


" 「生き物を大切にすること」・・・

  「いのちを大切にすること」・・・

  「家族やおともだちを大切にすること」・・・

  それらはみんな・・・

  つながっているんだっていうことを。"って。










" そしていつかね・・・

 きみも気がつくと思うよ。

 きみのおうちの方がきみのことを・・・

 どれほどいとおしく・・・

 そして どれほど 大切に・・・

 育んでくださったのかっていうことにね。"って。










" アゲハちょうと男の子がおしえてくれた・・・

 大切なこと "というお話でした。










2024.9.2

アゲハちょうと男の子・・・

そして おうちの方へ敬意を表して

     打吹小学校  校長  山名 毅