「這えば立て立てば歩めの親心」。
子どもの成長を喜び待ちわびる・・・
そんな気持ちを・・・
どんぴしゃで言い表したことば。
ただ・・・
忘れちゃいけない。
ときに・・・
そんな想いがふくらんじゃって・・・
子どもに対して・・・
「もっともっと」と・・・
注文をつけたくなることだってある。
私をふくめておとなは・・・
現状よりもさらなる向上をねがうばかりに・・・
なんだか欲ばりになってしまいがち。
連日・・・
テレビを見ながら宿題をしているすがたに・・・
いらいらがつもる。
思い出してみよう。
ついこの前までは・・・
テレビを見ながらどころか・・・
なんど言っても・・・
宿題をしないことがあったじゃあないか。
おとなの言うことに異議を唱えるそのすがたに・・・
「口ごたえするな。」と・・・
むしゃくしゃした気分になる。
思い出してみよう。
一年前の今頃は・・・
「自分の意志や意見を・・・
しっかり言える子になってほしい。」って・・・
やきもきしていたじゃあないか。
おとなから見た・・・
子どもの成長の速度や・・・
成長の表れ方は・・・
あるときは遅々として・・・
また あるときはへんてこりんに見えて・・・
私たちを焦りに駆り立てる。
でも・・・
ようく見ると・・・
しかも・・・
ふんわりとしたこころで眺めてみると・・・
その様は・・・
ひとりひとりちがっていて・・・
それでいて・・・
まちがいなくそれぞれの輝きを放っている。
子どもの成長の一コマは・・・
いじいじがくるほどにスローだったり・・・
心配になるほどにぎこちなかったりする。
あるときには・・・
立ち止まったり・・・
よこっちょにそれたり・・・
バックしてるようにすら見えることだってある。
「バック」ひとつとってもそうなのだけれど・・・
それってあくまでも・・・
おとなから見ての「バック」なのだということを・・・
私たちは知らなければならない。
心配ご無用。
彼ら彼女らは・・・
ひたむきに・・・
そして確実に成長している。
たいせつなことは・・・
おとながそれを見つけ・・・
ちょうどよく支えてやれるかどうかだ。
そう。
ちょうどよくなのだ。
11月17日(月)。
朝10時25分スタートで行われた・・・
打吹山クロスカントリー。
そこで見た子どもたちは・・
今この瞬間にも成長の真っただ中にいた。
秋の澄んだ空気をかき分けるように・・・
走っていくみんなの荒い息づかいは・・・
そのことを十二分に物語っていた。
おとなは欲ばっちゃいけない。
無茶を期待しちゃいけない。
ゆったりとして見守らなくちゃいけないときだってある。
子どもは十分にがんばっているんだ。
みんなが通過したあとのクロカンのコース。
だれかが踏んづけた・・・
カメムシの香りをかぎながら・・・
子どもたちが駆け抜けたであろう坂道を・・・
せっせと下りながら・・・
そんなことを考えていた。
" 子どもは十分がんばっている。 "というお話でした。
午前8時すぎ・・・
1年生のおともだちが声をかけてくれた。
なんのまえぶれもなく。
「今日のクロカンがんばります。」って。
彼女のクロカンはすでにはじまっていた。






