すこし時間を巻き戻しますね。
10月21日(月)のことです。
おひるまえの児童玄関。
ここには・・・
日本一の下足箱があるんです。
私には絶対の自信があるんです。
これ以上に美しい下足箱を・・・
これまで・・・目のまえどころか・・・
テレビでも・・・ネットでも・・・
YouTubeでも・・・とにかく見たことがないんです。
そんな下足箱が打吹小学校にはあるんです。
それは・・・5年生の下足箱。
くる日もくる日も・・・
はりきってる日も・・・たのしい日も・・・
わくわくの日も・・・落ち込んだ日も・・・
しかられちゃった日も・・・
なんだか調子のでない日も・・・
とにかくね・・・
そうであることがあたり前のように・・・
美しく・・・
ただただ ひたすらに美しく・・・
整っているんです。
そう。
そうであることがあたり前であるかのように。
4校時。
その5年生の教室。
家庭科で「本返しぬい」をやっていたんです。
男の子に声をかけたんです。
「『本返しぬい』はなかなか難しいですよね。」って。
かえってきたんです。
「はい。でもがんばります。」って。
べつのおともだちはおしえてくれたんです。
「私は『玉止め』が苦手なんです。」って。
またべつのおともだちは話しかけてくれたんです。
「校長先生・・・糸に・・・
玉止めする長さが残っていません。」って。
なんだかね・・・
みんな夢中になってやっていて・・・
私なんかにも相談してくれたりして・・・
(まあたしかに・・・
私は裁縫がかなりうまいけど・・・)
" きっちりやろう "っていう気持ちが・・・
ひしひしと伝わってきたんです。
重なったんです。
くる日もくる日も・・・
美しい下足箱をつくりだすこと。
ひたすらにひたすらに・・・
本返しぬいが上手にできるようになるために・・・
夢中になって糸を見つめる空気をつくりだすこと。
「あたり前のことをあたり前に」。
いつか5年生の教室で・・・
だれかが言ってたことば。
ここで重なっているんだって思ったんです。
まったくちがうようで・・・きっとおなじ。
そこには・・・
5年生にとっての・・・
「そうであることがあたり前」が・・・
ちゃあんとあるんだって思うんです。
そしてきっと・・・
これから5年生が・・・
さらにつくりだそうとしている・・・
たくさんのなにかがある予感に満ちていたんです。
はい・・・なにかがつくられていく予感です。
" 5年生にとっての・・・
「そうであることがあたり前」"というお話でした。
ところでね・・・
糸に玉止めをするための長さが・・・
たりなくなっちゃったおともだち。
私は教えてあげたんです。
(こう見えてプロだから・・・)
とにかくそこで糸を切っちゃって・・・
布をうらっかえしにして・・・
だんご結びで・・・
こそこそ こそこそと結んじゃうんです。
できあがってからね・・・
私は言ったんです。
「これで絶対にばれないよ。」って。
「このわざをね・・・
『人間結び』って言うんだよ。」って。
かえってきたんです。
「にんげんむすび・・・」って。